Soliloquy税理士のひとりごと

アメリカと日本の飛行機文化の違い

2012.12.20

私はアメリカで自由気ままに飛び回る飛行機を見ながら、どうして日本にはこの文化がないのだろうかと考えていました。この文化を支える航空産業があれば、今の日本の経済不況はないのではないか。少なくとも、内向きな国民性には、なってないなと考えるのです。1943年ごろアメリカに制空権を取られた影響が、今なお継続しているかと残念に思われるのです。

アメリカでは、自分で組み立てて飛ぶキットプレーンをはじめ、日本でもなじみのセスナ機、現代版の複葉機、戦闘機を真似た飛行機、プロペラが後についた飛行機、水上飛行機、昔の戦闘機等々、様々な人間の英知の結晶が、管制官のいない空港(9割方このタイプ)でも自由に自分達で管制をしながら、仕事に、レジャーに、またスポーツとして飛び回っています。 

イタリア製アダッジオ・アバンティ

例えば写真の飛行機は、垂直尾翼がボディ後方にありません。プロペラがエンジンの後ろにあります。尾翼機能の翼が操縦席の前下にあります。このような飛行機が、ノンタワーの空港で小型機の間を離着陸していきます。

カルフォルニア洲に空港は軍用を含めて268程あり、そのどこにも野外の駐機場に、またハンガーという倉庫に駐機されています。その様子はグーグルアースで見て頂けます。高松市の規模なら、郊外に2つか3つ空港があり、多くの飛行機が駐機されています。私が練習の本拠地にしていたロス郊外のコロナという町の町営駐機場には、屋外に百機前後、ハンガーに数百機いて、そこだけで日本中の小型飛行機より多いと感じるほどです。いかに日本がみすぼらしい状況にあるか、が分かります。

イタリア製アダッジオ・アバンティ

アメリカと日本の違いは色々言われますが、後つけの理由です。日本は狭いからとか、新幹線があるというのが、まず言われる理由ですが、狭くても高松から宇和島までは何時間かかりますか?南紀白浜までは?新幹線のお陰でその沿線は栄えましたが、その他は後回しです。四国も便利になったのは、飛行機のお陰です。裏日本と表日本、飛行機で結べば一時間の距離を、数時間も掛けて、不便この上ないし、無理に新幹線を通して赤字経営です。日本を隈なく発展させるのは、飛行機による交通手段しかないと思うのです。イタリアの面積は日本の約8割でも写真の飛行機の開発国です。

「飛行機は危ない」の報道にも惑わされ過ぎています。マスコミは事故の報道ばかり、事故現場の悲惨さを強調しますが、交通事故の現場を全て同じくらい放映したら、あなたは車に乗るのを止めますか?それともより注意して事故をしないように乗りますか?飛行便は世界で一日に10万便、月300万便、年3600万便。今は落ちるような飛行機を、どこの国も作っていません。しかしゼロでもありませんが、それは車も同じです。リスクも負いながらメリットも追う。そのチャレンジ魂や冒険心を日本人は無くしてしまい、ただ安全ばかりを重視しているようです。リスクの無いところにチャンスは生まれないのです。より遠くに人より先に行く、それは飛行機以外にありません。

滑走路はどっちに向けて作っているか知っていますか。滑走路の長さは?飛行機の飛行距離は?どうやって空中衝突を避けている?飛行のルールは?外国人の要人は知っていますよ、自分で持っているから。全く知らないのは日本人。知ろうとしないのも日本人。日本は民主党の防衛大臣からしてそれでした。それで普天間が解決しますか?外国の軍人上りの政治家と交渉できますか?

中国はアメリカのシーラスという、アメリカでは2大飛行機メーカーの1つを買収しました。飛行機自体にパラシュートがついているという素晴らしい飛行機のメーカーです。韓国は外国での販売用に製造しています。自国用ではありません。両国とも将来を見据えた国家戦略です。

日本だけいつまでも怖い危ないではなくて、何故、産業として経済戦略として、考えてこなかったのでしょうか。三菱製のリジョナルジェットは販売前にとめられたままです。航空機の製造及び整備、空港設備、教育訓練、関連施設を含めると、巨大な産業です。日本が航空産業に関してアメリカの部品の製造だけで終わる国となれば悔しい話です。

日本に何故、その産業が無いのか。あっても僅少なのか。かく言う私もこのように感じ出したのは最近、4年前にグアムで体験飛行をしてからのことです。アメリカでは中学生でも体験飛行で操縦桿を握らせます(勿論教官がサポートします)し、免許は17歳から取れますが、日本はその体験飛行すら事実上させませんので、知る手だての無いのが現状です。知るためにはアメリカに行くしかありませんが、そんなことが通常出来る訳もありません。そんな現状です。

「百聞は一見に如かず。」神戸空港までコーヒーを飲みに行きませんか?セスナ機、同乗体験にご案内致しております。ただし、飛行機の好きな方と、航空産業、航空行政の現状に関心をお持ちの方、高松に来ていただける方に限ります。 

「セスナでロスからセドナへ」

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